2015年9月8日火曜日

司法試験漏洩 関係者衝撃「社会の信頼裏切る」法科大学院、生き残り激化

 「事実であれば重大な問題だ」。7日、司法試験をめぐり明治大学法科大学院で問題漏洩(ろうえい)の疑いが浮上した。最も厳正に行われるべき司法試験での不正疑惑。法曹関係者からは怒りと驚きの声が上がった。

  司法試験で考査委員を務めた明治大法科大学院教授による問題漏洩の疑いを法務省が調査していることを受け、ある考査委員の男性は7日夜、取材に「委員の立場として絶対にやってはならないことだ」と語気を強めた。

 男性は、同様に考査委員だった元慶応大法科大学院教授が平成19年、実際の出題に類似した論点を試験前の学生に説明していた問題に触れ「その後は問題漏洩対策を強化していたはずなのになぜこんなことが起きたのか」と信じられない様子。法務省はこの問題を受け、法科大学院で教授などを務める学者と、弁護士や裁判官などの実務家がほぼ半数ずつだった考査委員の割合について、20年の試験から学者枠を減らすなど再発防止に取り組んでいた。

 日本弁護士連合会の法科大学院センター関係者は「社会の信頼を裏切る行為だ。今回の問題を機に再発防止策だけでなく、司法試験のあり方自体を抜本的に再検討する必要があるのではないか」と指摘している。

 ただ、過去の文部科学省の調査で多くの法科大学院が受験予備校化している実態が判明。合格者数や合格率が法科大学院の“ブランド”に直結するだけに、各大学院間での生き残り競争が激化するなか、不正の温床が容易に払拭されるとはかぎらない。

参照:産経新聞

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