琉球大の法科大学院(LS)が健闘している。2015年度司法試験では6人の合格者を出し、設置9年で48人となった。15年度の合格率17・1%は全国74校中21位だった。6人中5人は県出身者で、3人は琉大法文学部の卒業生だ。志望者の減少で全国的にLSの統廃合や募集停止が続く中、琉大関係者は「小規模校でも成果を残し、沖縄で法曹養成の機会を提供するという設立の理念を実現している」と話している。
9月27日に那覇市内で行われた祝賀会で合格者らは「先生方や仲間、沖縄弁護士会、県内企業など多くに支えられた」と感謝し、充実した教育内容をうかがわせた。
司法試験の合格率上位の十数校は旧帝大や有力私立大が占め、地方国公立大は苦戦している。文部科学省は本年度から合格率や定員充足率などを評価して補助金の「基礎額」を5~9割に減じる制度を導入。琉大LSは前年比7割とされたが、独自の取り組みを評価する「加算プログラム」で15%増を勝ち取り、前年比85%まで押し上げた。10%以上の加算を認められたのは全国で14校。
学外からの支援もある。琉大LS設立以来、沖縄銀行は「リーガル・アシスタント」として受験生を雇用し、試験勉強に専念できる制度を継続している。
琉球銀行も本年度から同様の「リーガル・サポート」を始め、ともに採用された受験生の合格率は5~7割にもなる。県内外の企業家や弁護士からの給付型奨学金もあり、学生らは「精神的にも支えられた」と話す。
学内でも「単位認定は非常に厳しく、学外とも連携してアクティブラーニング(能動的な学習)を進めている。他学部のモデルにもなる」(大城肇学長)と評価は高く、授業料減免などの制度を充実させる。
吉崎敦憲研究科長は「沖縄で生まれ育った人が沖縄の大学で法曹を目指せることを知ってほしい」とLSの意義を語り、さらなる教育改善に意欲を見せた。
参照:琉球新報社
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