2015年7月27日月曜日

40代男性「別居中の妻が面会妨害」…「娘と会えず」制裁金4倍

 ■名古屋高裁決定 「子の利益最優先」民法改正じわり

 別居中の妻に長女との面会を妨げられたとして愛知県内の男性が面会の実現を求めた裁判で、妻が正当な理由なく面会させなかった場合に科される間接強制の制裁金を4倍に増やす決定が名古屋高裁であったことが25日、分かった。親子の面会で制裁金が大幅に増額されるのは異例。面会交流調停の申し立てが増加する中、面会を妨げた親の親権変更や弁護士への損害賠償命令などの司法判断が相次いでおり、専門家は「子供の利益を最優先にする民法改正の影響だ」と指摘している。

  5月の名古屋高裁の決定などによると、40代男性は昨年5月、別居中の妻と一緒に暮らす長女と毎月2回の面会をできる家裁の審判が確定したが、昨年6月に面会した後、妻が長女の体調不良などを理由に面会を中止した。男性は家裁に面会の間接強制を求め、1回面会できないごとに制裁金を1万円とする決定がなされた。ところが、その後も面会が実現しなかったため男性が10月に抗告した。

 高裁は長女の体調不良を裏付ける客観的な資料が「一切提出されていない」とし、面会拒否は妻の意思によるものと判断し、制裁金を4倍に増額した。

 男性は産経新聞の取材に「長女と26回以上の面会ができていない。裁判所が『親子の絆は大事』と認めてくれたのはうれしい」と話した。「親子断絶防止法全国連絡会」は決定について「全国的にほとんど聞いたことがなく、珍しい」とし、子供の養育や面会交流について「子供の利益を最優先する」と定めた平成23年の民法改正の影響とみている。25年には最高裁が間接強制を親子の面会に適用する基準を示し、運用が広がっていた。

 厚生労働省によると、両親が離婚した未成年者の数は25年の1年間だけで約23万人。同年の面会交流調停の新規受理件数は約1万件で、10年前と比べ2・5倍に増えた。別居中の親子の面会をめぐる異例の司法判断も相次いでいる。

 昨年12月には、元妻が長男に罪悪感を覚えさせるような言動をして面会を妨害したとして元夫が親権者の変更を求めた審判で、長男の親権を元夫に変更する福岡家裁の決定が確定した。面会妨害を理由とする親権変更は異例だ。

 また、熊本地裁は今年3月、妻が連絡方法をメールから郵送に変え、次男と夫の面会を意図的に遅らせたと認定し、妻と妻側弁護士に損害賠償20万円を夫に支払うよう命じた。面会をめぐり弁護士に賠償責任を認めたのは珍しいという。

 面会をめぐる動きについて早稲田大法学学術院の棚村政行教授(家族法)は、民法改正の趣旨が徐々に浸透していることを評価しつつ、「裁判所の判断の強制力が強まると、両親が子供そっちのけで勝ち負けにこだわってしまい、子供のための取り決めを守らないこともある。両親への教育的な働きかけの充実も求められている」と話した。

参照:産経新聞

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