2014年12月17日水曜日

アップルに反競争的な行為はなかった--「iPod」独禁法裁判で陪審員評決

 カリフォルニア州オークランド発--米国時間12月16日、Appleに反競争的な行為はなかったという評決が下された。10年近くにわたって繰り広げられてきたこの独禁法訴訟において同社は、競合する音楽ストアの楽曲を同社の音楽プレーヤー「iPod」で再生できないようにすることで、消費者に害を与え、デジタル音楽業界でサービスを提供していた他の企業を抑制したとして提訴されていた。

  今回の裁判が開始されてちょうど2週間となった16日、8人で構成される陪審員団は4時間に満たない時間で審議を終え、評決を下した。

 最終的に陪審員団が判断しなければならなかったのは、Appleの音楽ストア「iTunes」に対する2006年にリリースされたアップデートが、いわゆる純粋な製品改良だったかどうかという点である。「iTunes 7.0」と当時呼ばれていたそのアップデートでは、同デスクトップソフトウェアとそれに付随するiPodソフトウェア向けに、動画やアルバムアートといった多数の機能が導入された。

 また、同リリースは、あるセキュリティ機能を含んでおり、Appleのデジタル著作権管理(DRM)技術「FairPlay」をリバースエンジニアリングした競合音楽ストアからの楽曲を検出すると、ユーザーのiPodを無効にしていた。この技術は、Appleとレコードレーベル会社の間の契約条件に基づいて、デジタル音楽ファイルの再生方法を制限するものだった。更新されたソフトウェアは、iPodを工場出荷時設定に戻すようユーザーに求めることで、競合する音楽ストアの楽曲を削除していた。

 シャーマン反トラスト法においては、純粋な製品改良ならば、競合企業の製品に害を与えるものだとしても反競争的であるとみなすことはできない。「企業は、競合企業を支援する全般的な法的義務を負わない。これには、製品を相互運用可能にすること、競合企業にライセンスを供与すること、競合企業に情報を共有することなどが含まれる」と、カリフォルニア州北部地区第9連邦地方裁判所のYvonne Gonzalez Rogers判事は15日、最終弁論の前に陪審員団に告げていた。

 陪審員団は、Appleの「iTunes」に対するアップデートが、実際に純粋な製品改良だったとの評決を下した。Appleが提供したのはこのような改良ではなかったと判断する場合は、Appleがデジタル音楽市場を独占したかどうかが次の論点となるはずだった。続いて、独占したと判断する場合は、Appleはその地位を維持するために反競争的な行為をとったかどうかを議論するはずだった。Gonzalez Rogers判事は、議論を細分化して複数の部分に分割したため、全体的な審議対象は、Appleが同社のソフトウェアアップデートに関連して消費者を欺いたかどうかという点だったが、陪審員団はこれを否定した。

 原告側は控訴する予定だと、原告側の弁護士であるPatrick Coughlin氏は述べた。

参照:CNET Japan

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