2013年5月28日火曜日

フェイスブック、ツイッター内でいじめにあったら

 インターネット上のトラブルは、年々増加傾向にあります。警察庁の統計によると、名誉毀損、誹謗中傷等に関する相談件数は、2005年に5782件だったのが、09年には1万1557件と倍近くになっています(「サイバー犯罪等に関する相談状況」)。実際、ネット関係の相談が増えています。

 多いのは、「2ちゃんねる」、個人のブログ、「ツイッター」などでの誹謗中傷やプライバシー侵害行為です。有名人でなくとも、悪口を書かれたり、伏字だけれどもわかる人にはわかるような誹謗中傷をされるケースもあります。

 「ミクシィ」や「フェイスブック」といったSNSサイトでのなりすましに関する相談もあります。自分になりすまして、ウソの書き込みをされたりプライベートな写真をアップされたりするケースです。

 対処方法はいくつかありますが、1つ有効なのは気にしないこと、無視することです。ツイッターやSNSの場合、特定の人から自分のサイトを見られないようにブロックできますし、自分も見ないようにする。そのうち向こうも飽きてやめることも多いのです。

 ただ、どうしても見過ごせない誹謗中傷もあるでしょうし、なりすましをされているのは気持ち悪いと思われる人も多いでしょう。その場合は、SNSなどの運営会社に迷惑行為を報告(スパム報告)します。たいていのサイトにはそのような報告を受け付ける機能がついています。ツイッターなど国外の会社が運営しているサイトでも同じ。日本語で送っても、回答は英語ですが対応してくれます。

■スパム報告しても効果ゼロのときは

 問題なのは、運営側にスパム報告をしても削除してくれないケース。たとえば2ちゃんねるには削除依頼用のスレッドがありますが、応じてくれないことも多く、依頼自体が公開されるために逆効果となってしまうこともあります。

 この場合は、「プロバイダ責任制限法」に基づいた手続きを取りましょう。選択肢は2つあり、(1)加害者である書き込み主(アカウント主)を特定する、(2)削除依頼をする、です。

 (1)であれば、まずは運営側に加害者についての「情報開示請求」を行い、IPアドレスとサーバーにアクセスした時間を教えるよう申し立てます。IPアドレスがわかれば接続プロバイダがわかるので、次はプロバイダ宛に該当人物について情報開示請求をします。つまり2回情報開示請求することになりますが、権利侵害が明らかなら開示請求は認められます。氏名、住所などの本人確認が取れたら、権利侵害をやめるように警告するか、損害賠償請求をします。

 (2)はもう少し簡単で、サイトの運営会社に「送信防止措置」の依頼をします。そうすると、運営側は加害者に「こういう申し立てがあるが、反論はあるか。削除してもよいか」と照会がかかります。この時点で加害者は自主的に削除するか、回答しないかのどちらかの対応を取ることが多い。照会から7日以内に回答がない場合は運営側が削除してもよいことになっているので、そのまま削除されます。(1)(2)のいずれも、費用は書類代と切手代程度ですみ、ガイドラインもネットで公開されています。

 ただ、2ちゃんねるの場合は運営会社がシンガポールにあるため、この手続きが使えません。そのため、裁判所に削除や開示を認める決定をもらうことが必要です。手続きが煩雑なので、弁護士に相談したほうがよいでしょう。

 フェイスブックやツイッターも日本の法律による請求を受け付けていません。ただ、フェイスブックでは実名登録が基本原則となっているためトラブルはそう多くないようです。ツイッターについては、10年11月に日本法人が設立され、この手続きに応じてもらえる可能性が出てきました。

 いずれにせよ、トラブルには巻き込まれないことが一番です。トラブルの原因はやはりプライバシーに関することが多いので、書き込むときも他人のプライバシーに関わることには十分注意してください。ネット上での発信は、世界中の人が見ることができるのですから。
 
参照:プレジデント

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