2013年5月17日金曜日

急増する“なりすまし詐欺メール”に気をつけろ

「なりすまし詐欺恐喝メール」という新たな詐欺の手口が広がっている。これはハッキングによって得た個人の趣味や購入履歴、ネットでの書き込みなどの個人情報をもとに、関係者や被害者を装い、なんらかの恐喝メールを送りつけてくるというネット犯罪の一種だ。

「今どきのハッキングスキルでは、PCやケータイのメールの文面は丸見えだと考えたほうがいい。SNSも誰が何をどこで書き込んだかなどすぐにわかります」(架空請求に詳しい弁護士)


「個人情報などの弱みを握ってから、ピンポイントで具体的に話題を絞ってメールを送りつけるやり方が増えています」(国民生活センター・広報室)

では、具体的にどんななりすましメールが送られてくるのか。国民生活センター、消費生活センターなどに聞いたケースを紹介しよう。

「ジャニーズ系の勝手ファンサイトに『最近、××君は太ったみたいでキモい』と書き込んだら、ジャニーズ事務所の代理人と名乗る人から『貴殿の書き込みについては、名誉毀損と判断し、訴訟の準備に入ります。和解に応じるのであれば、連絡をいただければと思います』というメールが届きました」(埼玉県・24歳・女性)

「2ちゃんねるに派遣先の会社の批判(『サービス残業が多すぎる』『人使いが荒い』など)の書き込みをしたら、『会社の顧問弁護士です。書き込みは名誉毀損、業務妨害にあたります。当方としては、訴訟事件として扱うべき案件だと考えています。ぜひ一度、ご連絡ください。なお、最速で解決する方法もございますので相談に応じることもできます』という内容のメールが来ました」(東京都・34歳・男性)

「健康保険の未払い分と延滞金について、市役所が依頼している債権回収会社と名乗る会社からメールが入りました。未納分と延滞金について減免できる措置があるのでノウハウを教えたいという趣旨でした。市役所に問い合わせると、そんな会社は関知しないとのこと。なぜ、こんな個人情報を知っているのか、気味が悪いです」(埼玉県・43歳・男性)

「ある政治家のツイッターに『ウソばかりつくなよ』的なコメントを書き込みましたが、どこでどう調べたのか、私の個人的なアドレスに『街宣かけるぞ、このヤロー!』的なメールが大量に入ってきました。金銭などを要求することはなかったのですが、その2、3日後に『いたずらメールをストップさせます』というコンサルタント会社からの売り込みがあった」(千葉県・36歳・男性)

このような、パソコンやケータイのメールの中身が丸見えになっているかのような事例が数々寄せられていた。いずれもメール受信者が多少、身に覚えがあり、ドキッとするようなピンポイント情報を握っている。

しかし、そのハッキング技術のスゴさとは対照的に、「指定の口座にカネを振り込め」「和解金の話をしよう」という金銭要求の方法、そして、そのメールの文面は「こんな手に引っかかるヤツがいるのか?」というほどバレバレで古くささが目立つ。

前出の弁護士はこう話す。

「警察に『恐喝されている』と相談されたら面倒ですし、相手にメールの内容を信じさせるためにも、慎重な言い回しになっているのです。結果的にそれが間抜けさを演出している(笑)。そもそも、そんな大事な通達がメールでされるわけがない。まともに反応する必要はありません」

個人情報が丸見えというのは恐ろしいかぎりだが、今のところは無視しておけば大丈夫。とはいえ、バレて困るようなネット書き込みなどは、今すぐやめたほうがよいだろう。

参照:週プレNEWS

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