「別れたパートナーとの性的な写真や動画をネット上に流出させる嫌がらせ行為」である「リベンジポルノ」。ネタさえあれば誰でも簡単に出来てしまう「復讐法」だが、写真を流出された被害者の社会的ダメージは計り知れない。恋人と盛り上がっても、安易にそんな写真を撮るような行為は控えたほうが無難だろう。
「『リベンジポルノ』は欧米では非常に問題になっていて、日本でも今秋をめどに対策法案が提出される予定で検討されています。ただ、現行の法律でもこのような事案に対応できるのでは、という議論もされてますね。例えば、性器が写っている写真をネット上にアップしたら『わいせつ物陳列罪』になります。それ以外の写真でも、社会通念上で問題があるものなら名誉毀損、もしくはプライバシー権の侵害などに抵触してくると思われます」(アディーレ法律事務所・篠田恵里香弁護士)
しかし、流出されたのが“わいせつとまではいかない写真”や“他人には見られたくないメール”だったらどうなのか? たとえば「はやく帰ってチューしたいでしゅ」と恋人に送った赤ちゃんコトバのラブラブメール、ノリノリで撮った恥ずかしいプリクラ…。こんなものを「別れた腹いせ」で会社やSNSにバラまかれたら、たまったものではない。いわば「プチ・リベンジポルノ」とでもいうべきこうした被害にあったら、どんな対処法があるのだろう?
「権利侵害となる写真や文面が掲載されているサイトのプロバイダや管理人に対して削除要請をすることはできます。実際になんらかの被害を被ったという場合なら、写真をアップした相手に対して民事訴訟を起こすことも可能です。ただ、名誉毀損やプライバシー権の侵害は、非常に立件しにくいのが現状です」
流出した写真が原因で降格人事になったり、金銭的損害や精神的損害が発生していれば賠償問題になる可能性はあるが、損害や因果関係を証明できない限り、実際に賠償を求めるのは難しいという。
「そもそも、ちょっとした写真やメールがいつまでもネット上に残るというのは、人類が初めて遭遇している事態。そんな状況に、法律も、人々の理解も追いついていないのが現状です。『プチ・リベンジポルノ』のような微妙な事例の裁判も、今後増えていくでしょうね」
被害を予防するためにも早急な法整備が望まれるところ。今のところ、最大の予防法は「キレイな別れ際」になるよう注意することかも!?
参照:R25
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