2014年4月28日月曜日

NHK会長辞任求め視聴者73人が受信料支払い停止宣言

就任以来、従軍慰安婦問題や政府との距離の取り方をめぐる発言でその資質が問われ続けているNHKの籾井勝人会長に、関西在住の視聴者が三行半を突きつけた。会長が辞任するまで受信料の支払いを停止するというもので、籾井氏の資質がNHKの経営を揺さぶりかねない事態となった。

「籾井勝人さんは、NHKの会長を今すぐ辞任してください。辞任されない限り、私たちはNHKの受信料の支払を停止します」

28日午前、関西在住の市民で作る「NHKの在り方を考える市民の会」のメンバーら11人がNHK大阪放送局を訪れ、このような内容の要求書を提出した。NHKからは秦博孝大阪放送局広報部副部長らが対応した。

今回、要求書を提出したのは、大阪市を中心に関西に住む視聴者73人。要求書によると、NHKの番組を長く愛してきたが、籾井勝人会長の1月25日の就任会見での発言や、その後に明らかになった役員に日付の無い辞表の提出を求めたことなどを「公共放送であるNHKの会長として、信じられない暴言・暴挙」と指摘。

そして「NHKの会長としての資質・能力・資格に欠ける問題であり、放送の不偏不党・真実及び自律の保障、表現の自由の保障、政治的公平などを謳った放送法の原則から大きく逸脱」したと、籾井氏の行為を批判している。

その上で、「NHKの公平・公正・中立な報道に対して受信料を支払ってきたが、籾井会長の発言はその前提となるNHKと視聴者との信頼を裏切った」として、会長が辞任するまで受信料の支払いを停止するとしている。

要求書を手渡した「NHKのあり方を考える市民の会」共同代表の藤永延代さんは次のように話す。
「NHKが好き。NHKにしかできない番組がたくさんある。だから、受信料を払ってきた。だけど、今回の籾井さんの問題は見過ごすことができない」

また、支払い停止を決めた別の女性は、「今回は許せない」と46年間払ってきた受信料の支払いを停止することを決めた。

視聴者の世話人を務める阪口徳雄弁護士は「今のままでは、NHKは『安倍放送局』だ」と憤る。籾井会長が辞めるまでこの運動を続ける決意を話した。

匿名を条件に取材に応じたNHKの職員は、実はNHK内部の多くの人がこうした動きを望んでいるとして、次のように話す。
「籾井会長はあれだけの問題を1人で起こしながら、就任後の局内向けの挨拶で、NHKの信頼は1人1人の行動にかかっているなんていうことを平気で言う人間です。商売人として優秀だったのかもしれませんが、人間性が問われるメディアのトップとして失格なのは誰もが認めるところです。予算を乗り切ったので大丈夫などと言っているのは彼を支えている政治部くらいで、番組制作担当の部署の職員などは皆、一日も早く受信料の不払い運動が起きてくれないかと、ささやき合っていました」

支払い停止を宣言した「NHKの在り方を考える市民の会」には、28日だけですでに8人の賛同表明が寄せられ、籾井会長の辞任を求めて近日中に第二次の申し入れをする予定だという。NHKに対する受信料支払い停止の動きは、今後さらに広がるものとみられる。

参照:アジアプレス・ネットワーク

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