◇政府の法曹養成制度改革推進室
法曹養成制度のあり方を検討している政府の法曹養成制度改革推進室が6月から、市民や企業などにどのような法的ニーズがあるかを探るアンケート調査に乗り出した。法科大学院志願者の減少や司法試験合格率の低迷といった深刻な事態を受けた初めての試み。適正な法曹人口をはじき出し、それに見合った司法試験合格者数にするための検討材料とする狙いがある。
司法試験合格者数は1950年代から90年ごろまで500人前後で推移。「21世紀は事前規制型から事後救済型となり、司法の果たす役割が大きくなる」という考え方から政府の司法制度改革審議会は2001年、法曹人口の増加を提言、「10年には合格者3000人」との目標を掲げた。日本は当時、「法曹1人あたりの国民の数」が6300人程度で、フランス並み(当時1600人程度)にしようとしたが、実際の合格者は2000人程度で推移し、弁護士の就職難という問題も起き、昨年、目標は事実上撤回された。
そうした経緯への反省もあり、「需要をよく知り、より緻密な根拠を持って適正な法曹人口を出す必要がある」(推進室)と判断し、アンケートに踏み切った。アンケートは、各地の弁護士会や法テラスなどに法律相談に訪れた人2万人を目標に調査票を交付。「弁護士にかかる費用がいくらまでなら依頼するか」といった本音を探る設問が並ぶ。民間企業数千社や中央官庁、数百の地方自治体に郵送で調査し、インターネットを通じて特に法律問題を抱えていない人も対象とする。
7月中に回収し、今年度末までにデータを分析する。それらの結果も踏まえ、政府の法曹養成制度改革推進会議が、適正な法曹人口などについて来年7月までに提言する。
参照:毎日新聞
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