駐車場では、ピボットエリアを意識しながら車をバックさせたり、素早く切り返したりと、道路上とは異なる技術が必要になる。また、「できるだけ早く入口の近くに停めたい」と焦るドライバーも多いため、トラブルが発生する確率も高い。今回は、過去に発生したトラブルの中から、バック運転が原因となった事例を紹介する。
■混雑した駐車場でバック 衝突された被害側は頭痛やめまいを発症
<事故内容>
2010年7月19日午前、京都府京都市内にあるスーパーの駐車場が混雑していたため、ワンボックス車の後ろに軽乗用車が停止していた。すると、空きスペースを見つけたワンボックス車が突然バック。右後部が軽乗用車の左前部に衝突し、軽乗用車のドライバーは頭痛や両手のしびれ、めまい等を発症した。
<判決>
軽乗用車側は、約460万円の損害賠償を求めて訴えを起こした。判決では、「ワンボックス車が後方をよく注意せず、後続車に合図なく車をバックさせたことが原因であり、軽乗用車に違反は認められない」と、ワンボックス車側に100%過失があるとした。
ただし、軽乗用車のドライバーは「合理的な説明ができない治療方法をとった」と治療費については認めず、損害賠償額は約54万円となった(2014年1月14日京都地裁判決)。
■駐車枠から突然バックし、走行中の車に衝突
<事故内容>
2011年7月9日夕方、愛知県海部郡にあるスーパーで、駐車枠からバックした軽乗用車が、通路を走行していたワンボックス車に衝突。両者の車両が損傷した。
<判決>
ワンボックス車側は、軽乗用車側に過失があるとして、約17万円の支払いを求めて訴えを起こした。ところが軽乗用車側は、「停止していた自分の車にワンボックス車が衝突した」と主張し、約9万円の支払いを求める訴えを起こした。
判決では、「ワンボックス車が軽乗用車の後方を通過していたところ、軽乗用車が突然バックしてきたために発生した」と認定。注意義務を怠り、漫然と車をバックさせたとして、軽乗用車側の100%過失を認めた。
軽乗用車側は控訴したが、いずれも棄却され、約9万円の支払いを命じられた(2014年8月28日名古屋高裁判決)。
最近では、バックモニターを装備した車も増えているが、車をバックさせる際は【ミラー】と【目視】による安全確認が基本。十分に周囲を確認し、事故を未然に防ごう。
参照:オリコン
0 件のコメント:
コメントを投稿