2013年3月7日木曜日

大震災2年:横浜弁護士会、被災者支援に奔走 9日に県内3カ所で原発賠償説明会も

 横浜弁護士会が東日本大震災の被災者支援を続けている。発生直後に発足した対策チームによる無料電話相談をはじめ、これまでに延べ約290人を福島県内の被災地に派遣し、法律相談などに応じた。福島第1原発事故の影響で県内に避難している被災者のために、国や東京電力を相手取った集団訴訟も検討している。9日には賠償問題を巡る相談説明会を県内3カ所で開き、被災者の訴えに耳を傾ける。
 

 チームは震災直後の11年3月24日に結成した。県内の体育館など公共施設に避難してきた被災者の相談活動のほか、無料電話相談「被災者ホットダイヤル」も開設。住宅ローンの支払いなど、生活に関わる法律問題解決のための支援活動を継続し、相談件数は200件を超えた。

 同年5月からは、弁護士の被災地派遣をスタートした。メンバーの派遣場所を固定し事前に弁護士名も告知したりするなど、被災者がストレスを感じないよう工夫した。随時開催した県内の被災者向けの相談会では、被害内容などを記録するため作成した「東日本大震災・記録ノート」を無料配布し、その後の賠償請求に役立てた。

 県内は福島からの避難者が多く、今も2500人以上が各地で避難生活を送る。東電の賠償問題の関心が高まる中、集団訴訟を視野に入れた弁護団も結成した。受任件数は約80世帯に上る。一方、公的仲介機関「原子力損害賠償紛争解決センター」による裁判外紛争解決手続き(ADR)も進め、一定の成果を上げている。

 しかし、福島では放射能の影響が依然として残っており、故郷に戻れるかどうかや、戻る場合の補償の方針が明確に示されず、不安を抱える被災者は少なくない。東電は賠償基準を示したが、土地や住宅など不動産の賠償は受け付けさえ始まっていないのが現状だ。

 対策チーム責任者の小賀坂徹弁護士は「被災者の孤立感は日に日に強まっている。震災前の生活に戻れるよう、生活再建を後押ししたい」としている。

 9日の原発事故損害賠償説明会は横浜市、相模原市、小田原市の3会場でいずれも午前10時半から。問い合わせは横浜弁護士会(045・211・7707)。被災者ホットダイヤル(045・211・7703)は平日午前9時半~午後4時半。
 
参照:毎日新聞

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