刑事裁判や民事裁判といった法廷活動をはじめ、暮らしの中で発生するトラブル・争いごとへの関与、企業など組織内での活動など、社会のさまざまな分野で活動する弁護士。法律の専門家として事件や紛争に対する適切な予防方法、対処方法、解決方法をアドバイスしてくれる。最近ではプロスポーツ選手の代理人としてもよく目にするようになった。
2002年、時の政府は司法試験合格人数の目標を3,000人とする司法制度改革推進計画閣議決定を行なった。司法制度改革の一環で、法曹人口を大幅に増員するとともに専門性の高い優れた法曹を養成しようというものだ。法曹の中でも弁護士は「弁護士ゼロワン地域」問題や大都市偏在問題がかねて指摘されており、地域格差の是正が増員と合わせて大きな課題となっていた。弁護士数に関しては、増加傾向にあり、特に政府が法曹人口増員に取り組んだ2002年以降は顕著に伸びている。最近10年を見ると、2004年の20,224人から2013年は33,624人まで13,400人増え、10年前のおよそ1.66倍になった。
NTTタウンページ株式会社は、タウンページのデータベース(職業別電話帳データ)を活用して様々なマーケティング情報を提供しているが、同社が運営する商品紹介サイト「TPDB.jp」では、毎月独自の都道府県ランキングを発表している。今回は弁護士と弁護士法人等に関する都道府県ランキングについて紹介したい。
タウンページのデータベースで弁護士法人等の登録件数を見ると、2014年は前年より165件多い11,305件で、減少に歯止めがかかった2008年以降は7年連続で増加している。しかし、弁護士の大都市偏在という問題は依然として顕著だ。都道府県別に見ると、東京都が15,679人と最も多く、全体の46.6%を占めている。さらに、上位5位までの都府県(東京都、大阪府、愛知県、神奈川県、福岡県)を合わせると実に70.4%に上る。また、弁護士1人あたりの人口を見ると、秋田県が最も少ない14,562人で、岩手県(14,163人)、茨城県(13,197人)、山形県(12,944人)、岐阜県(12,644人)と続いている。一方、最も多いのは東京都の844人で、秋田県の約17分の1です。さらに大阪府(2,215人)、京都府(4,153人)、愛知県(4,599人)、福岡県(4,894人)と大都市が並んでいる。
次に、都道府県別人口10万人当たりの「弁護士法人等」の件数はどうか。タウンページのデータベースで人口10万人当たりの都道府県別登録件数を見ると、1位は東京都が20.91件でダントツ。以下、大阪府(14.57件)、愛知県(10.46件)、広島県(9.80件)、京都府(9.79件)、福岡県(9.73件)と続いた。 逆に登録件数が少なかったのは、埼玉県(4.12件)、千葉県(4.44件)、奈良県(4.46件)、青森県(4.52件)、岩手県(4.68件)の順で、意外にも首都圏の2県が下位を占めた。
司法制度改革によって弁護士の数は増えたものの、その後、新司法試験合格者の質の低下や司法修習修了者の就職難、法科大学院の急増と入学者減少に伴う定員割れ、募集停止などを招く結果となり、政府は目標人数を2,000人に引き下げる方針に再転換している。こうした中、弁護士自身もその活動領域を広げており、組織内弁護士もそのひとつで企業や官公庁、地方公共団体などの組織に属し、専門的な知識や経験を生かして活躍している。2005年に123人だった組織内弁護士は2013年には965人にまで増えた。
参照:@DIME
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