ヤミ金融被害の根絶に向け、多重債務者の支援団体「大阪クレジット・サラ金被害者の会」(大阪いちょうの会)は、同会が収集したヤミ金業者の電話番号をリスト化し、今春、大手携帯電話会社に提供することを決めた。不正使用されている番号の利用停止を携帯各社に促すのが狙い。強制力はなく、あくまで同会から各社への“お願い”でしかないが、同会は「趣旨を理解して協力してほしい」としている。
平成25年11月以降に同会に被害相談が寄せられたヤミ金業者の携帯番号約500をリスト化。今年3月までにはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社に提供する方針。
同会によると、ヤミ金業者の多くは店舗を構えずに携帯と銀行口座だけを保有して営業する「090金融」の形態を取っており、犯罪ツールである携帯を規制することでヤミ金被害の拡大防止が図れるという。
警察庁によると、ヤミ金被害は16年に最悪の348億2700万円に。しかし、ヤミ金規制につながる法律を相次いで成立させたこともあり、被害は減少。24年には109億9千万円となった。
だからといって安心はできないという。同会ヤミ金対策委員長で司法書士の前田勝範さんは、「法整備が進んだことで、ここ1~2年は『取れるところから徹底してむしり取る』傾向が強まった」と話す。長くても2カ月程度だった嫌がらせが半年以上に長期化▽弁護士が介入すると撤退していたのに1~2週間すると取り立てが再燃する-といった“粘着質な”業者が現れているという。
こうした状況を受け、同会はリスト提供を計画。しかし、通信業を管轄する近畿総合通信局は「民間団体の情報だけで利用停止するのは難しいのでは」と指摘する。
携帯電話不正利用防止法は「警察署長からの求めで契約者の確認を行うことができる」と規定しており、民間の情報だけで調査すると個人情報の目的外使用にあたる可能性が出てくるというのだ。
ある携帯会社も「本来業務以外で個人情報を調べることになるので…」と歯切れが悪い。
しかし、前田さんは「法律も、警察からの要請じゃないと本人確認できないとも言っていない。不正利用防止には携帯会社にも一定の責任があるはずで、被害防止に協力してほしい」と話している。
参照:産経新聞
0 件のコメント:
コメントを投稿