「起業や人脈作りに役立つ」などとフェイスブック(FB)を通じて知り合った業者に占い講座を勧められ、「受講料」として100万円を払わされる被害が福岡県内で相次いでいる。
業者は起業を志す若者に、消費者金融から金を借りさせており、福岡市消費生活センターなどは「被害が広がる可能性がある」と警戒。大学などに注意を呼びかけている。
この業者は大阪市内の会社。登記簿によると、投資情報の提供、パソコンソフトの制作販売などを業務とし、2012年5月に設立され、昨年10月末に解散。現在は連絡が取れなくなっているという。
同センターや相談を受けた弁護士らによると、業者は、学生らのFBに「友達申請」をして接触。「起業希望者向けの会合がある」「人脈作りに役立つ」と誘い、ボウリングなどの懇親会で参加者に個別に面会して受講を勧めていた。
FBに「起業を目指している」と書いた20歳代前半の男性は昨年3月頃、知らない男から「自分も経営者を目指してます。会いませんか」とメッセージを受け取った。会った当日、男は「起業を目指すほかの仲間も来る」とボウリング大会に誘い、後日、男は「上司」を連れてきた。
男と上司は、「占いで人を見る目が養える。別の人を誘えば6万円渡す」と言い、10回分で計100万円の占い講座を勧めた。男性が断ると、上司は「動かす金の大きさで経営者の器は決まる」と迫り、男性は押し切られるように契約。直後に業者の案内で消費者金融に連れて行かれ、50万円ずつ、2か所で借りた金を現金で渡した。
別の男子学生は昨年9月、同級生から誘われて参加した経済セミナーの翌日、大阪の会社の講師から福岡市内のカフェに呼ばれ、占い講座の説明を受けた。受講を拒むと「真剣に話をしたのに裏切るのか」と迫られ、消費者金融からの借金で100万円を捻出させられた。
その日の夜、ファミリーレストランで開かれた講座は、とても役立つとは思えない内容。すぐクーリングオフの通知をしたが、金は戻ってこなかった。
この占い講座の被害相談は、県消費生活センターに寄せられた分だけで、昨年4月以降14件に上り、少なくとも10人以上は100万円を支払い、戻ってきていないという。消費生活問題に詳しい吉野泉弁護士(福岡県弁護士会)は「FBのようなソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使う手軽さから、今後、福岡以外にも急速に被害が拡大する可能性がある」と指摘している。
参照:読売新聞
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