2014年1月24日金曜日

あなたの会社はブラック企業?

 残業代を支払わなかったり、不当解雇をしたり、労働条件を勝手に変更したり――。ブラック企業といえば「ヒドい労働環境で従業員を働かせている」イメージが強いが、実際のところトラブルは増えているのだろうか。


 厚生労働省の発表によると、2012年に全国の労働相談コーナーに寄せられた相談件数は106万7210件。そのうち、退職勧奨や労働条件の引き下げなど、会社との関係、社員同士の関係で起きているトラブルは25万4719件にものぼっている。ちなみに10年前は10万件ほどだったので、この10年間で2.5倍にも増えているのだ。

 「残業代は出ないし、休みもない。こんなブラック企業辞めてやる!」と思っている人もいるだろうが、計画性もなく会社を去るのは“得策”と言えるのだろうか。『ブラック企業に倍返しだ!』の著書・弁護士の岩沙好幸さんに聞いたところ「『不当な扱いばかり行う勤務先と闘う覚悟はできています。いつ辞めればいいのでしょうか?』といった相談を受けることが多いのですが、ブラック企業と闘うためには有利な情報が必要。なので、今すぐ辞めるのではなく、有利な環境を整えてから辞めましょう」とのこと。

 例えば、残業代が支払われないケースに対し、従業員はどのように対応すればいいのだろうか。「会社の言い分として最も多いのは『残業をしていない』というもの。そういう場合に備えて、“残業した証拠”としてタイムカードをコピーしておくことが大切。タイムカードがない場合には、業務日報など代わりになるモノを確保しておきましょう。そうしたモノもない場合には、SuicaやPASMOといったICカードの履歴(ICカードごとに履歴の件数が違うので注意)、仕事のために誰かに送ったメールなど、定時後に仕事をしている証拠を集めることが重要。また給与明細と就業規則も確保してください」

 こうした証拠は残業代の計算に使うそうだが、その計算は複雑。ちゃんと計算ができても、会社はアレコレ反論したりして簡単には支払ってくれないことが多い。会社側から追い詰められたり、トラブルに巻き込まれるケースもあるので、そうなる前に弁護士に相談するのもひとつの手だ。

●“新ブラック企業”が増えている

 一般的に「ブラック企業=従業員を辞めさせる(辞めさせたい)」という構図があると思うが、数年前から真逆の企業が増えてきている。つまり、従業員を辞めさせるのではなく、辞めさせないのだ。何らかの事情で辞められないのをいいことに、嫌がらせをする“新ブラック企業”が増えてきているという。

 例えば「誓約書にサインしているから、会社を辞めることはできない」「お前が辞めることで、会社は損害をこうむる。損害賠償を払え!」など、辞めさせない理由はさまざま。なぜ新ブラック企業はこうした理由を付けてまで、従業員を辞めさせたくないのだろうか。「(辞めさせたくない人は)会社にとって使い勝手のいい人材、まだまだこき使えると判断されているのでしょう。ブラック企業で働く人は、信じられない労働環境で働かされているので、転職活動をする時間がありません。そうしたことを見越して辞めさせず、従業員が退職を諦めることを狙っているのです」(岩沙氏)

 現在働いている会社はブラック企業かもしれない。転職をしようと思っているけど、そこがブラック企業かもしれない。そもそもブラック企業かどうかをどうやって見極めればいいのか――。そんな人向けに、岩沙氏が「ブラック企業度チェックリスト」をまとめたので、ぜひ確認してほしい。

参照:Business Media 誠

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