市民に死刑の実態を知ってもらおうと、大阪弁護士会がDVD「絞首刑を考える」を製作し、報道陣に20日公開した。絞首刑による死亡の過程を人体図やイラストで説明し、「瞬間的に意識を失うのはまれだ」などと残虐性を指摘している。憲法は残虐な刑罰を禁止しているが、死刑に対する国の情報公開は十分ではない。今後、弁護士会主催の集会などで上映する予定だ。
大阪弁護士会の死刑廃止検討プロジェクトチーム(PT、座長・金子武嗣弁護士)が、先月末に完成させた。全国の弁護士会で初の取り組みという。
DVDは約25分間で、刑罰の歴史と死刑▽わが国の絞首刑の執行方法--など7章で構成する。「絞首刑の死に至るメカニズム」の章では、DVDを監修したオーストリアの法医学者の研究を基に、5パターンの死因を紹介。執行後も1~2分意識が保たれる「気管閉塞(へいそく)」や、頭が切り離される「頭部離断」などがあるとしている。
どの死に方になるかはコントロールできず、「瞬間的に意識を失うのは延髄の損傷を伴う首の骨折のみで、まれなケースだ。絞首刑が最も安楽な死に方とする考えは誤り」と訴えている。
PT副座長の後藤貞人弁護士は「裁判員裁判では、市民が死刑の判断をすることもある。事実を知ってほしい」と話している。
参照:毎日新聞
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