税制改正によって2015年から相続税が増税になるが、どれだけの人が“財産相続”に関心を持っているのか――三菱UFJ信託銀行によると、相続への関心は50代から上昇することが分かったという。
同行が金融資産を持つ1000人に対して調査を行ったところ、「遺言作成は考えていないが、何かしら事前に準備しておくべき」と考える人の割合が40代では37.7%、50代では50.8%と50代で大きくポイントが上昇している。
このほか、生前のうちに自身の葬儀や相続の準備をしておく「終活」への関心も年代を追うごとに上昇している。このような関心の高まりについて、弁護士の長家広明氏は「50代は定年を控え、自身の資産も落ち着いてくるという特徴がある。子どもも独立し始め、大きな資金の動きもなくなり、腰を据えて将来を考えやすい時期だからではないか」とコメントしている。
●相続への関心の高さは「健康への不安」と「相続トラブルの経験」
50代で相続への関心が高まるのはなぜか。「突然の事故や病気で、健康を損なうことへの不安はあるか」との問いに対して、30代~70代の間で50代が最も多く66.0%となっており、自身の健康への不安があることがうかがえる。
また「3年以内に親族の資産相続や遺産分割に関わったか」という問いに対して、40代が17.7%であるのに対し、50代は27.6%に上昇するなど、50代は親族の資産相続に関わる人が増え、トラブルを経験する機会があることも原因としており、同行は「自身が親の相続を受けるタイミングと重なり、トラブルを経験したりすることで相続意識が高まったのでは」と推察している。
相続への関心が高まる一方で、具体的な情報収集や手続きまでは取り組めていないようだ。相続の手続きを把握している50代は42.0%である一方で、相続の手続きは面倒そう、というイメージを持つ50代は76.0%に上る。これに対し、「仮に遺言書作成や弁護士なしに、家族に資産承継の手続きを完了できるサービスがあったら」という問いに対しては、50代の60.0%が利用に好意的だった。
同行は「今後は手間も費用もかからず、簡易的に相続への準備を行える『プレ相続』のようなサービスに注目が集まる可能性がある」とコメントしている。本調査は3大都市圏に在住する30代以上の男女1000人(保有金融資産500万円以上)に対し、インターネットで実施した。調査時期は2013年12月。
参照:Business Media 誠
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