2013年12月27日金曜日

日本の正社員解雇は世界一難しい?

コンサルタント業や執筆業を行っている城繁幸氏と、国家公務員一般労働組合(以下「組合」)が、解雇規制緩和を巡ってネット上で激しい論戦を展開。互いの主張は平行線をたどっている。

 論戦の発端は12月18日、組合がブログで「解雇規制緩和は若者も非正規労働者も救わない-『解雇自由』のデンマークより首切り自由な日本」という、解雇規制緩和に反対するブログ記事を公開したこと。ブログ記事には、大学教授や弁護士、全労働省労働組合委員長らによる座談会の内容が掲載されており、

「ロックアウト解雇や追い出し部屋などが野放しになっている現状の規制こそ必要」
「解雇規制の緩和を雇用の増大と結びつける大きな間違い」

と、解雇規制緩和に反対する論陣を張った。

すると、これに城氏が噛み付いた。城氏は19日、組合のブログ記事について、「基本的に一から十まで鼎談部は全部間違い」と指摘したうえで、組合が論拠としたデータについて「都合のいいデータだけつまみ食い」と述べ、「日本の正社員をクビにするのは世界で一番難しい」と主張。

これに対し組合が「さて『都合のいいデータだけつまみ食い』をしているのは、いったいどちらなのか?」(21日)とブログで反論を試み、以下、

城氏 「その自慢の“生データ”で計算するとやっぱり日本の解雇規制はトップレベルなので全然反論になってない(笑)」(21日。ツイッター)

組合 「トータルのデータを見ても、詳細にすべてのデータを見ても、『日本の正社員をクビにするのは世界でも容易な方』」(22日。ブログ)

城氏 「関係ないデータを並べてさも正社員の解雇規制が緩い風にデコレーションしている」(24日。ブログ)

と、「日本の正社員をクビにするのは世界一難しいのか否か?」を巡って、論戦は続いている。

両者の論争はネット上でも大いに話題となっており、組合側の21日のブログ記事をまとめたツイッターまとめサイト「togetter」の記事「『日本の正社員をクビにするのは世界で一番難しい』とする城繁幸氏のウソ」のPVは、25日14時30分時点で3万8000以上に到達している。城氏はすでに、「重箱の隅をつつくような話につきあうのは実に時間の無駄」と、論戦にやや嫌気が差している印象があるが、組合側の動き次第では、まだまだ論戦は長引きそうだ。

参照:R25

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