2013年12月4日水曜日

中傷記事「転載しただけ」でも名誉毀損に 東京高裁が初認定 安易な「転載・まとめ」に警鐘

 インターネット上の中傷記事を、別のインターネット掲示板に「転載」した場合でも名誉毀損(きそん)にあたるとの判決を、東京高裁が9月に下していたことが分かりました。「ネット転載」での名誉毀損認定は今回が初であり、今後さまざまな方面に影響を及ぼしそうです。

 今回名誉毀損に問われていたのは、「Yahoo!掲示板」に書き込まれた中傷記事を、匿名で「2ちゃんねる」に転載していたケース。原告側はプロバイダに対し、「転載者」側の発信者情報を開示するよう訴えを起こしていました。

 裁判では、もともとあった情報を「転載しただけ」でも名誉毀損となるのかどうかが争点となりましたが、地裁判決では「すでに公開されている情報を転載しただけでは、社会的評価を低下させたとは言えない」との理由から“名誉毀損にはならない”と原告の請求を棄却。しかし、高裁判決では一転、「転載によって情報を拡散させ、社会的評価をさらに低下させた」と、名誉毀損が認められた形となりました。判決を受け、プロバイダ側は上告せず、転載者情報の開示請求に応じています。

 「転載しただけでも名誉毀損が成立する」となると、当然TwitterやSNSへの投稿、さらにはまとめサイトなども同様に、名誉毀損に問われる可能性が出てきます。裁判の代理人を務めた最所義一弁護士(弁護士法人港国際グループ)はブログで、「軽い気持ちで、いたずら半分にコピーアンドペーストしてしまったとしても、名誉毀損の責任を問われる可能性がある、投稿を行う際には、自分の意見として責任をもって主張できる内容であるかを、今一度、冷静に判断していただきたいと思います」とコメントしています。
 
参照:ねとらぼ

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