2014年5月26日月曜日

10年で10倍 企業内弁護士

 弁護士資格を取得しながら、企業で社員として働く「企業内弁護士」が増えている。昨年初めて全国で千人を突破し、この10年で10倍増。兵庫県内でも10社に在籍する。コンプライアンス(法令順守)重視やグローバル化など、企業を取り巻く環境変化に加え、弁護士人口の急増が背景にあるようだ。

  企業内弁護士は、法務部門の統括や訴訟対応などを手掛ける。商品開発における法的チェックなど、現場の専門領域に踏み込んだ業務を任されることも少なくない。

 日本組織内弁護士協会(東京)によると、2013年12月の調査で、全国560社に弁護士1080人が所属。04年3月には56社109人で、いずれも10倍に増えた。10年前は外資系金融機関の採用が大半だったが、近年は国内企業にも広がり「業種に特徴なく採用されているのが特徴」。20年には3千人以上に増える見込みだ。

 小泉改革以降の規制緩和に伴いコンプライアンス経営が重視され、グローバル化が進んだことで海外企業との取引も増加。リスク回避という点で、法体系全体の理解と紛争解決の実務を身に付けた弁護士を社内に抱えるメリットが大きくなった。

 「供給側」の事情としては、司法制度改革による弁護士人口の急増で同業者間の競争が激しくなり、主に若手が企業に活躍の場を求めているとみられる。

 地域別の内訳をみると、大企業の集中する関東が約940人を占め、近畿は約100人。兵庫県では、医療機器メーカーのシスメックス(神戸市)など10社に13人が在籍。スポーツ用品大手のアシックス(同市)は「法的案件を社内で確認でき、経営のスピードアップを図れる」。国内外で飲食店を展開するトリドール(同市)では「海外の法務案件を中心に、法規制の調査や契約書作成などを担当している」という。

参照:神戸新聞NEXT

0 件のコメント: