法科大学院を修了しなくても司法試験受験資格が得られる「予備試験」が18日、全国8会場で始まった。出願者は2011年の制度開始から3年連続で増え、最多の1万2622人(昨年比1367人増)。経済的負担や司法試験合格率低迷などで志願者、入学者とも減少し、全体として定員割れ状態の法科大学院とは対照的な状況が続く。
入学者をこの春募った法科大学院67校の志願者は、延べ1万1450人(昨年比2474人減)で、最低記録を更新し、予備試験の出願者数を初めて下回った。予備試験を受ける法科大学院生もおり単純には比べられないが、「法科大学院離れの象徴」と受け止められている。
予備試験は過去3年の合格率が1~3%台という難関。昨年は合格者の71.8%が司法試験をパスし、合格率はどの法科大学院よりも高かった。もともと経済的事情で法科大学院に通えない法曹志望者に門戸を開く例外ルートで、制限すべきだとの声は根強く、法曹養成制度改革の議論で焦点の一つだ。
そもそも、司法試験の出願者数自体が12年から3年連続で減っている。有能な人材の確保という観点から、法曹関係者に危機感が広がっている。
日本弁護士連合会(日弁連)は今月、「弁護士になろう!!☆8人のチャレンジ☆」と題したパンフレットを作製。法科大学院出身の弁護士8人が仕事の魅力を伝える内容で、法科大学院や大学、高校などに配布する。日弁連のこうした取り組みは初めてだ。
登場する8人は、登録5年前後までの「若手」で、医師として正しい法律知識の必要性を感じて法科大学院に入学した異色の女性も紹介。現在は国立大学病院の法務部門に勤務し、「社会人が専門性を生かして法曹資格を得れば新しい需要をつかみ取れる」とメッセージを送る。日弁連法科大学院センター副委員長、椛嶋(かばしま)裕之弁護士は「やりがいがあり、活動の場が大きく広がっていることを感じてほしい」と話す。
18日の予備試験は短答式で、その後論文式や口述の試験を実施。11月6日に発表される最終合格者が、来年の司法試験本番に臨む。
参照:毎日新聞
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