暴力団捜査を担当していた愛知県警警部が脅迫された事件で、脅迫電話をかけた男を逃がしたとして犯人隠避の罪に問われた元検事の弁護士、城（たち）正憲被告（６６）＝同県愛西市＝に対し、名古屋地裁は１５日、懲役１年６月、執行猶予３年（求刑・懲役１年６月）の判決を言い渡した。前田巌（いわお）裁判長は「弁護人としての職責を大きく逸脱しており、厳しい非難を免れない」と指摘した。
城被告は弁護士を通じて控訴しない意向を示した。判決が確定すれば弁護士法に基づき、弁護士資格を失う。
判決によると、城被告は２０１１年６～８月、詐欺容疑で勾留されていた風俗店グループの実質的経営者、佐藤義徳被告（５６）＝脅迫罪などで公判中＝との接見中、脅迫の実行役である元風俗店グループ幹部、青木公司被告（４３）＝脅迫罪で公判中＝を逃亡させるよう頼まれ、他人名義の携帯電話番号が記録されたＳＩＭ（シム）カードや現金約５００万円を渡して青木被告を逃亡させたとしている。
城被告は公判で起訴内容を大筋で認める一方、「青木被告が実行役という確定的な認識はなかった」と主張した。だが、前田裁判長は「正常な弁護活動を逸脱するには相応の理由があったはずで、青木被告を実行役と認識していた」と認定した。また、佐藤被告は当時、弁護士以外とは接見できなかったことから「（城被告は）犯罪の成立に不可欠の役割を果たした」と指摘した。
一方、執行猶予の理由について「本件を厳粛に受け止め、反省している」と述べた。
参照：毎日新聞
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