「1票の格差」が最大2・43倍だった昨年12月の衆院選は違憲だとして、二つの弁護士グループが選挙無効(やり直し)を求めた16件の訴訟の上告審弁論が23日、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允(ひろのぶ)長官)で始まった。
原告側は「国会は格差是正の対応を何もしていない」と主張し、被告の選挙管理委員会側は「是正への取り組みを続けており、違憲ではない」と反論した。この日で全て結審し、大法廷の統一判断が年内にも示される。
午前に弁論があり、結審したのは、戦後初の「違憲・無効」が出た広島高裁判決と、「違憲・有効」とした東京高裁判決の上告審。午後に残り14件の訴訟の弁論が行われ、判決期日が近く示される。
衆院選の1票の格差で、最高裁大法廷は2011年3月、2・30倍の09年選挙を「違憲状態」と判断。各都道府県にまず1議席ずつ割り振る「1人別枠方式」が格差の主因として廃止を求めたが、昨年選挙は同方式を事実上残したまま行われ、格差も開いた。訴えにより1審の高裁で14件の違憲判決が出て、うち2件は無効とされた。合憲判決は1件もなかった。
弁論で選管側は、11年の大法廷判決は東日本大震災の発生直後で、「他に審議もある中、国会は格差是正の検討を重ねた」と強調。昨年11月の衆院解散直前には「0増5減」を実現させ、格差は縮小したと指摘した。
これに対し、原告側は「0増5減は小手先の処理」などと批判しており、最高裁が国会の取り組みをどう評価するかが判決のポイントとなる。
最高裁が違憲と判断すれば、1996年から実施されている現行の小選挙区制では初めてとなるが、裁判官の間では「影響の大きさを考慮して、無効には踏み込まないのではないか」との見方が強い。
参照:読売新聞
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