オーストラリアの男性が米グーグル(Google)のインターネット検索結果に名誉を毀損(きそん)されたとして同社を訴えていた裁判で、豪ビクトリア(Victoria)州最高裁は12日、グーグル側に賠償金20万豪ドル(約1660万円)の支払いを命じた。
訴えを起こしたのは2004年に背中を銃で撃たれた芸能プロモーターのMilorad Trkuljaさん(62)。この銃撃事件は未解決のままだが、Trkuljaさんの氏名をグーグルで検索すると、メルボルン(Melbourne)市の犯罪組織の中心的人物、トニー・モクベル(Tony Mokbel)などの犯罪者の情報や、過去に起きた犯罪組織関連の事件をまとめたウェブサイト「Melbourne Crime」(現在は閉鎖)が表示されるようになっていた。
Trkuljaさんは裁判で、自分がまるでメルボルンの悪名高い犯罪者で、銃撃はプロの暗殺者によるものだったかのように示唆する情報でグーグルに名誉を毀損されたと主張。ビジネス上重要な世間の評判が大きく傷つけられたと訴えていた。
これに対しグーグル側は、他者が公開した情報を知らずに広めてしまっていただけで、同社がその情報を公開したのではないと主張。さらに、Trkuljaさんが問題とした情報についても名誉毀損には当たらないとしていた。
だが、Trkuljaさんの弁護士が2009年10月に、グーグルに対し「著しい名誉毀損」を含むコンテンツへの対処を書面で要求していたことから、陪審団は原告の訴えを認め、グーグル側はこの問題を認識していたのにもかかわらず行動を起こさなかったと結論した。
ソーシャルメディアと法律問題に詳しい豪ボンド大学(Bond University)のマーク・ピアソン(Mark Pearson)氏はこの判決について、オーストラリアにおける「画期的な」判例で、広範囲に影響を及ぼす可能性があると述べている。
Trkuljaさんは米ヤフー(Yahoo! )を相手取り起こした同様の訴訟でも勝訴し、22万5000豪ドル(約1860万円)の賠償金を得ている。
参照:AFPBB News
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