堺雅人(40)主演で話題のドラマ『リーガルハイ』(フジテレビ系)。金にこだわる“勝率100%”を誇る個性派弁護士が、超長ゼリフを立て板に水で披露するのがウリのこのドラマ。新人弁護士役の新垣結衣(25)との“収入格差”もドラマの軸となっている。
弁護士白書によると、弁護士の平均収入(売り上げ)は’10年調査で約3,304万円と、10年前の3,793万円より約500万円も目減りしていることが明らかになった。平均所得も1,701万円から1,471万円と230万円ダウン。高収入の勝ち組の代表だった弁護士界に異変が起こっているのは間違いない。
そこで現役の弁護士に集まってもらい、実情を聞いてみた。参加したのは、東北地方の中堅事務所で働くA弁護士(27)、弁護士6年めで事務所の共同経営者であるB弁護士(33)、年収5,000万円で弁護士会幹部を務めたことのあるC弁護士(58)、30代半ばでサラリーマンから転職したというD弁護士(40)、年収400万円の“カツカツ”代表のE弁護士(37)の5人だ。そもそも、同じ弁護士でもどうして“格差”が生まれてしまうのか?
C「やっぱり原因は新人の“就職難”でしょう。従来は司法研修所を修了したらすぐに既存の法律事務所に雇われていた。それが司法制度改革(’01年)による’07年の新司法試験制度で年間300人台だった合格者がいまや1,700人にまで増えてしまった。法律事務所は増えたぶんを吸収することができず、新人があぶれてしまったんだ」
D「新人の年収はだいたい600万円くらいだけど五大事務所なら1,000万円ほど。かなりの格差がある。でも、五大事務所には毎年20人ほど新人が入りますが、兄弁(先輩弁護士)の雑用ばかりなうえ、フリーに等しい雇用契約で毎月の労働時間は300時間を超えるのに残業代もなく、疲弊して数年で半分が辞めていく。肩叩きに遭う奴もいる」
A「僕は15くらい受けて3つ内定もらった。で、今はイソ弁。収入は最初の年で700万円あるといっても、事務所からの給料は80%くらい。あと弁護士会費が非常に高いんだよね……。僕は年60万円くらいだからね。東京はかなり安くて45万円。食えない若手には配慮して減免されてる」
B「僕も最高でせいぜい300万~500万円レベルですね。安い事件だと交通費持ち出し、なんてこともありますよ。民事で争いになっている金額が大きければ報酬も多いです」
E「2年前ほど前は年収300万円でした(苦笑)。いまは少し増えて400万円超。ケータイ弁として今いちばん悩んでいるのは、電話がいつも留守電なので相手に困られているんじゃないかと。すぐにかけ直すようにしているんですが、営業も書類作成も全部自分でやる今のやり方では、もっと大きく稼ごうというのは無理ですね」
D「勝ち組でも弁護士報酬だけの年収なら1億円くらい。弁護士業務にも限りがありますから、税テクで不動産運用や株投資など、サイドビジネスで儲かっているパターンが多いです」
弁護士の『キャリア格差』は次のとおりだ。
【エリート】
・五大法律事務所勤務/年収1,000万円以上~10億円(五大法律事務所とは、『西村あさひ法律事務所』『長島・大野・常松法律事務所』『森・濱田松本法律事務所』『アンダーソン・毛利・友常法律事務所』『TMI総合法律事務所』を指す。そこで働き、アソシエイト〈新人〉からパートナー〈ベテラン〉へと昇格する)。
【標準】
・中小法律事務所勤務/年収600万円以上~数億円。
・ボス弁/年収500万円以上~数億円(自分で事務所をかまえる弁護士)。
・イソ弁/年収500万~600万円(ボス弁の事務所で弁護士としての基本業務をおこなう“居候”弁護士。普通、5年前後で独立)。
・マチ弁/年収500万~1,000万円(小規模な事務所に勤務する弁護士)。
【ワーキングプア】
・ノキ弁/年収200万~300万円(就職先がなく、先輩弁護士の事務所の“軒先”を借りる個人事業主。収入は厳しい)。
・ソクドク(即独)/年収200万~300万円(個人事業主として即、独立する弁護士。収入は厳しい)。
・ケータイ弁/年収200万~300万円(携帯1本で仕事を受注する弁護士。収入は厳しい)。
参照:週刊FLASH
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