2013年11月7日木曜日

帝国ホテル、高島屋、ミシュラン常連まで…「食品偽装」の料金はホントに取り返せるのか

 いったい、どこまで広がるのか。食品偽装が次々に発覚している。
 5日は、新たに老舗百貨店の高島屋が、ブラックタイガーを使っていたのに「車エビ」と表示したり、牛脂を注入した加工肉を「ステーキ」として客に提供していたことが明らかになった。この日は、大丸松坂屋、横浜・八景島シーパラダイス、東急ホテルズ、日本ビューホテル……などが相次いで偽装を公表。みなで渡れば怖くない――と、ドサクサに紛れて一斉に公表したに違いない。

「偽装食品のほとんどは、エビと牛肉です。エビは“代用品”がたくさんあるし、ステーキは牛脂を注入しても見抜くのは難しい。やっぱり日本人は、エビと牛肉が大好きということもあります」(関係者)

 笑っちゃうのが、加工肉を堂々と提供していた旅館「奈良・三笠」が、3年連続でミシュランに掲載されていたことだ。グルメのはずの審査員も“偽装”を見抜けなかったらしい。

 気になるのは、だまされた消費者は、カネを取り戻せるのかどうかということだ。各ホテルに聞いてみると、「加工肉は使ったが、金額に見合うモノを提供しているので、返金はしません」(ニューオータニ熊本)というところもあるが、ほとんどは「レシート1回分につき、2000円のギフトカードをお渡ししています。顔なじみのお客さまなど、ご利用が確認できる方も対象です」(東急ホテルズ)と、レシートがあれば返金する。

 だが、何年も前に利用し、レシートを捨ててしまった場合はどうすればいいか。弁護士の紀藤正樹氏が言う。

「クレジットカードで支払った記憶があれば、カード会社に過去の履歴を請求してみることです。今後、ホテルやレストランを利用するときは、ポイントカードは役に立つかも知れない。ある程度、長期間使用記録が残るので、今回のような事態でも“証拠”となります。レシート、領収書等の明細がないと裁判を起こしても、まず勝てないでしょう」

「レシートがなくても、返金するケースもある」と公表した「阪急阪神ホテルズ」の系列ホテルには、女子高生らが返金を求めて列をつくっているそうだ。すでに1万3000人以上が返金を求め、返金額は3000万円に届きそうだという。消費者をだました代償は大きい。
 
参照:日刊ゲンダイ

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