東京都の猪瀬直樹知事(67)が昨年12月の知事選前に、徳洲会グループから現金5000万円を受け取っていた問題で、知事は26日、都庁で会見し、受領の際に書いたとする「借用証」を初めて公開した。利息等の借り入れ条件が記載されず、実印の押印もない簡易なもの。知事は「借用証」について、「間違いなく原本です」と強調したが、専門家からは「不自然だ」と指摘する声が上がった。知事は、辞職の意思がないことも明らかにした。
猪瀬知事が、これまで「公開するつもりはない」とも話していた「借用証」を、初めて示した。A4判で「徳田毅殿」とあり、日付と、金額欄に手書きで「5000万円」、「猪瀬直樹」の署名と住所が書かれていた。字はこれだけ。利息、担保、返済期限など借り入れ条件の記載は一切ない。実印の押印もなかった。
“簡易すぎる”ともいえる「借用証」に、会見では「会見を見た人から、『最近になって借用証を作成した』と疑われるのでは」との質問も出た。だが猪瀬氏は、「間違いなく原本です」と否定。紙を振りかざし、気色ばむ場面もあった。「身を粉にしても、仕事をきちっとやることが償いかと思う」と辞職も否定した。金利相当分の支払いは検討する、とも述べた。
猪瀬氏は徳洲会側からの5000万円については選挙資金ではなく「個人の借り入れ」と強調、釈明してきた。猪瀬氏の説明によると、昨年11月6日午後2時、民族派団体「一水会」の木村三浩代表とともに、徳田虎雄・前徳洲会理事長と面会。「知事選に出るかもしれない」とあいさつした。
19日に徳田毅衆院議員から「議員会館においでいただきたい」と電話があり、翌日夕の公務後に、議員会館に1人で出向いた。猪瀬氏は用意したかばんに5000万円を入れ、毅氏側が用意した借用証に署名、金額を書き入れた。今年9月26日に毅氏の母親に返済。その後、借用証が郵送されてきたという。
猪瀬氏の5000万円を巡るこれまでの説明について、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は「まだまだ不十分」と批判した。さらに「借用証」についても、「巨額の借り入れをするのに、利子などの条件が書かれていないのは不自然だ。真偽を確かめるため、『借用証』を作ったパソコンに残されたファイルの日付や履歴などを確認すべきだ」と指摘。「捜査機関に『借用証』を提出し、付着しているはずの(毅氏らの)指紋などを照合してもらことも考えてはどうか」と、知事自ら潔白の証しを立てる行動に出るべきだ、とした。
参照:スポーツ報知
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